ケンオートトラクションブースターは、現状のリアの足廻りから最大限のトラクション性能を引き出すパーツです。
このパーツは、車が前に進もうとする時に必要な縦のグリップ力と、ヨー方向に力が掛かっている際のブッシュの撓みなどに起因するアライメント変化からの姿勢変化を、最小限に抑えながらトラクションを効率よく稼ぎ出すために開発しました。
基本設計から四半世紀以上の時を経過したNA/NBロードスターですが、その時代背景と共にダンパー・スプリングをはじめ、ブッシュやその他周辺パーツは様々な工夫と進化で、リアの足廻り性能を引き出してきました。
しかし、このロードスターと共に経過した時間はまた、タイヤの性能とグリップ力を大幅に進化させました。
その結果、タイヤの性能に対してどうしても追いつけないパーツが出てきたのも事実です。
そのパーツの一つに、リア足廻りの構成パーツであるリアナックルが上げられます。
ケンオートではそこに着目しました。
リアナックルの形状は、駆動系統も兼ねていることから、フロントナックルに比べ複雑な形状になっております。その形状ゆえ、現代の強力なグリップ力を持つタイヤからの強力な入力に対して、それを受け止めるキャパシティーが足りなくなっていると言えます。
フロントのナックルの強度を保つパーツの効果は、ニーレックス様のナックルサポートでも実証されている通りですが、とても効果的なパーツで、それはグリップ力(入力)が大きければ大きいほど違いが歴然としてきます。しかし、それはモータースポーツシーンばかりではなく、一般道を走る上で避けられない、橋の繋ぎ目や路面のギャップからの入力に対しても有効的であることも明らかです。そのような路面からの入力に対して、タイヤ → ホイール → ナックルという順序で始まる足廻り構成パーツの力のかかり方の順番で、始めに近い方のパーツの強度を保つことにより、今以上のドライバビリティーを上げることが可能であり有効だとケンオートは考えました。
端にあるパーツからの1mmの振動やズレは、ステアリングを握るドライバーに対し、1mや2m、またサーキット等における非日常的なスピードの場合はそれ以上にも感じる感覚のズレと恐怖感を生んでしまうこともあります。
それらの無駄な動きを抑制し、安心感と共に、ロードスターのダブルウィッシュボーン形状から得られる気持ちの良いリアトラクションを得る為に、それをアシストするパーツが「トラクションブースター」です。
リアナックルの複雑な形状からの力の逃げを補助し、また、アッパー・リアアームのブッシュや剛性の違いから生まれるリタードする動きを抑制し、結果、最小限のアライメント変化に押さえながら、最良のトラクションを得る事を目的としております。
材質はナックルやアーム類との強度を検討した上でスチールとしております。また、様々な方向からの入力に対して均一に対応出来る丸パイプ材を使用しております。
そして、ピロボールを使用しておりますが、メンテナンスフリーの無給油タイプのものをチョイスしております。
まずは体感していただくのが一番ですが、装着時と未装着時の比較動画がありますのでそちらをご覧下さい。
取り付け車両はNA8Cロードスターで、ケンオートオリジナル車高調、マツダスピード製ブッシュ(装着後50,000Km走行)、マルハ製トーコンキャンセラーが装着された右リア足廻りの映像になります。タイヤは205/50R15のラジアルタイヤを装着しております。
右リアのストローク時や、シフトアップ時の動きなどを比較して見ていただけると違いがわかりやすいと思います。
右リアのストロークの場面を多く見ていただくため、鈴鹿サーキットフルコースの左回り区間の、ダンロップ ~ デグナー ~ ヘアピン ~ スプーンカーブからバックストレート出口の区間にて比較しております。
シフトアップ時や、アクセルオン時に発生するナックルがリタードする動きを抑制しながら、その際に同時に起こるアライメント変化を最小限に抑えている様子をご覧ください。
ブッシュがヘタった車や、ハイグリップタイヤ装着の車両ほど、効果を得やすいパーツです。
185/60R14ハイグリップタイヤでもテストを繰り返しましたが、タイヤのグリップ力が高くなっている現在では、185サイズでもタイムアップの効果が得られます。
車の状況にもよりますが、仙台ハイランドで1秒前後のタイムアップが望まれます。
もとより、リアトラクションを得ている時のドライブフィールが最高に気持ちの良いロードスターの良さを、このトラクションブースターで蘇らせてみてください。
価格 ¥32,318-
※競技専用部品としてお取り扱い下さい
※1,000Km~3,000Km毎の増し締めをお勧めします。
【取り付け方法】
画像のように、左右それぞれ車体中央方向に向かって力を加えた状態(トラクションブースターに対してデフ方向に力を加えた状態)で、アッパー・ロアアームのナット部分を締め込んで下さい。
(理想は1G状態での締め付けが理想です)
【取り付け可能車種】
NA/NB全車